新年明けましておめでとうございます。伊豆諸島・小笠原諸島の皆さまにとりまして、本年が幸多き年となりますことをお祈り申し上げます。
昨年は、元日に石川県能登半島地震、その復興に追い打ちをかけるように、9月には能登半島豪雨災害が発生し、今も、災害復興の取り組みが続いています。こうした頻発する大災害への対策は、島しょ地域においては一刻の猶予もありません。
新型コロナウイルス感染症は5類に移行され、社会活動が正常化しつつありますが、島の医療体制を考慮すれば、対策の充実強化は欠かせません。また、長引く燃料価格や物価高騰などの影響で、島民の皆様の生活や島内の経済活動は厳しい状況が続き、少子高齢化、環境対策、通信環境整備、港湾整備などの課題も山積しています。
昨年9月、東京都は物価高騰対策や、新型コロナウイルスワクチンの定期接種への対応など、377億円の補正予算を編成しました。
物価高騰対策としては、運輸事業者やLPガスの事業者と利用者、医療機関、介護施設、保育所への支援のほか、学校給食費の支援など、都民・事業者の生活を守るための施策を実施しました。
これから開会する都議会第一回定例会では、令和7年度予算が審議されます。昨年11月に公表された各局の要求ベースでは、一般会計の総額は8兆8,215億円となり、令和6年度予算から3,685億円、4.4%の増となっています。
島しょ地域における主な事業としては、災害時の通信手段の途絶を防ぐために有効な衛星通信の活用に加え、新規事業として海岸漂着物等地域対策推進事業や大島公園海のふるさと村のリニューアルが計画されています。
さらには、昨年11月のCOP29で知事から、伊豆諸島海域において原発約一基分の電力を生み出す、浮体式洋上風力発電の導入を目指すことが表明されました。島しょ地域の発展に繋がるものとなるよう、検討を進めてまいります。
このほか、島しょ地域に関する施策としては、観光面では、閑散期の誘客に向けて、「安定集客促進事業」の拡充や「しまぽ通貨」による「キャッシュレスを活用した誘客促進事業」が盛り込まれました。
農業振興では、普及指導員による栽培指導等に加え、生産施設の整備や担い手の確保・育成、水産業振興では、「磯焼け」の回復に向けた藻場の再生や、安定的にキンメダイやクロマグロが漁獲できる資源管理の対策等も推進してまいります。
防災対策では、大島の大清水沢など砂防施設の整備を着実に行うことに加え、地域防災計画火山編を修正することとしており、島外避難についても議論し、大島町や三宅村のハザードマップを30年ぶりに見直します。また、津波避難の意識向上に向け、わかりやすいリーフレットの作成や、行政などが積極的に情報や支援などを届ける、アウトリーチ型教育の実施にも取り組みます。
さらに、大島元町港の就航率を高める防波堤工事に本格的に着手するとともに、御蔵島村のインターネット利用環境の更なる安定化に向けて引き続き取り組んでまいります。
東京都の令和7年度予算は現在編成作業が大詰めを迎えており、今月下旬に予算大綱が発表され、都議会での審議を経て、3月下旬に成立する予定です。
今年も、燃料や物価の高騰など厳しい状況が危惧され、先行き不透明な状況が続くと思われますが、そうした中にあって、限られた財源を活用し、島の生活を守り、産業を育成し、島の未来に役立つ施策をしっかり検討し、提案してまいります。
そして、こうした提案を、島しょの実態に即した意義のあるものにしていくため、皆さまからのご意見を丁寧にお聞きしてまいります。
ご意見をお寄せください。